親族があつまったとき、
はじめて聞く父がいた。
父の故郷の人たちが口をそろえて「そうそう」というぐらい皆の中の記憶が共通している。
私はすごく驚いたことだったし、
嬉しすぎたし、
知らなかったことにひどく悔しい思いがした。
父は絵を描くことが好きだったらしい。
そして、とても「上手」だったらしい。
絵の描ける父だなんてすごい自慢なのに!!!
たしかに父は神経質にとても器用だった。
いろいろうるさかった。
自分のなかの「美しい」基準を乱されたくなかったんだなと納得し大きく頷く。
生前の父に会って「話がしたいな」と心から思う。
今日は父の命日。
桜の森の満開の下で
たかいたかいところにいる父を見上げる。