ちいさいころ姉がひとりいる私にクリスマスを飾るケーキを選べる特権があった。(きっとありとあらゆる作戦で勝ち得たに違いない‥)
「どのケーキがいい?」に
「これーーー!!!」と指をさすのは
モカのバタークリームケーキ。
姉から猛反対され‥
母は苦い顔で一旦困り‥「いちごもあるよー」と誘導作戦にでる。
そうくるとグイんとモカのバタークリームケーキを絶対に譲らない私。
クリスマスに予約していたケーキを真ん中に母のご馳走とデコレーションされたちいさなモミの木と飼っていたことりと家族写真を撮る。
懐かしい写真。
「思い出す」ランキングベスト3に入る思い出。
なんで姉が猛反対をしたかというと、
それは「バタークリーム」。
選ぶくせに私はカットされたケーキを1個も食べれないうちに「なんか美味しくない」と言って残す。
ホールで買ったクリスマスケーキを次の日も食べなくちゃならない母と姉は(父は甘いものを好まなかったので)一年に一度のこの日のバタークリームケーキにとてもうんざりしていたのだろう‥私はといえば、モカの色に「チョコレート」と思い違いをし、前年にも失敗していることを忘れて数回この失敗を犯している。
数年後にはすっかり「バタークリーム=美味しくない」と脳に刻み大きくなった。
ところがどうにも「バタークリーム」が気になって気になって仕方がない。出会いを心待ちにしていた今日、「バタークリーム」に会った!チョコレート生地のカップケーキの上にローズ型にぐるりぐるりと。
すごい不安と期待でひとくち‥
❤︎ーーーーー!!!
この美味しさを共感したくてじっと夫の表情を覗き込む‥
夫の表情を見て満足して「美味しいねー美味しいねーねー」と歓喜。
とても美味しかった❤︎
きっと、何十年前に食べたクリームとはぜんぜん違うんだろうけれど「バタークリーム」というものがとても美味しくて嬉しかった。
そんな日。